(*※松島れたあテレパネ版)「日本に中小企業は必要だ」ー006ディスカッション(1)

これまでのパネラーの報告を受けて、聴講の皆さんからも、ご意見を、いただきましょう。

Aさん: 「中小企業への国をげての保護政策」はばらまき感覚であったようにも感じます。やる気のある中小企業に対しては、主体的な経営への取り組み、経営改革を推し進めさせる支援を考えるべきだと思う。

Bさん: かつて社会人の第1歩を「大企業に就職」で踏み出し、現在中小企業で今も工場運営をしています。
大企業と中小企業の経営基盤の差は歴然としていますが、大企業の生産性が良く中小企業の生産性が悪いとは言えないと思います。
大企業が生き残る為には事業拡大と不採算部門の切り捨て=工場閉鎖を繰り返し脱皮しながら生き残って行く。もはや創業当時とは全く業種・事業が違っている会社が多々見受けられます。
一方で、中小企業はその事業を創業当初から脈々と引き継いで生き残っている会社が多いのですが、財力・人財の脆弱さがあり、どうしても創業者の成功体験から抜け出せない企業も多いのです。それが生産性の低さ、経営改革が進んでいない原因と感じます。
中小企業がもっと活性化し、技術投資が進み、人財の育成ができるようになるためには、中小企業がもっと儲かるようにする事が何より大事です。。
中小企業を保護するのでは無く、中小企業の優れた製品を国内に広めることが成長の糧ではないでしょうか。
まさに中小企業とそこで働く人は国の宝であるべしといいたい。

Cさん: 私はソフトウェア開発の中小企業に勤務しています。多重下請構造から何とか脱出できないものでしょうか。下請構造がその企業に与える影響は、
・自社の能力が局所化、部分最適化されて、本当の強みがわからなくなる
・howの技術に対する感度ばかりが強化され、whatやwhyへの感度が低下し、利用者のニーズがわからなくなる
・営業活動を発注元に依存し、顧客が開拓できない

『個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル』によると、
☆ 自社ブランド品の消費者への訴求
①品質の高い梅酒の製造販売を自社ブランド化
②純米・吟醸などの高品質日本酒の製造販売
③酒造りの米の自家生産
☆ 社員との向き合い方
①社員一人が複数職種を兼務し、職種ごと給与の加算方式支給
②応募者と会社双方が納得できる採用

が大事と述べています。中小企業は強みがないのでなく、その使い方が見えていないのです。

皆さんおご意見を伺っていますと、どうやら、中小企業の経営者の問題という以上に、発注企業との関係、日本のサプライチェーンの問題が、中小企業問題の根幹にあるように感じます。