(*※松島れたあテレパネ版)「日本に中小企業は必要だ」ー005討論

高島さんから、田中さんに質問です。

4つのタイプについて、考え方は分かりますが、実際の中小企業支援にあたって、支援対象企業が、どのタイプにあるのかをどのように判断したらばよいですか。
また、業種、地域特性を考慮した時、どのような活性化に係る方策を考えられますか。1,2例示していただけると助かります。

田中さん:
ありがとうございます。
添付ファイルの図(P2:業績と時間の2軸)、各タイプ別特性(P3:思考・行動)などを念頭におきながら、経営者の方が「今どこにいて、どこを目指しているのか?」を支援者がインタビューでお聴きすることで、各企業がどのタイプに該当するかご判断頂けるものと思います。

高島さん:
業種、地域特性を考慮した時、どのような活性化に係る方策を考えられますか。1,2例示していただけると助かります。

田中さん:
個別具体的な方策、例示の前に、お示しした4つのタイプを2つに分けて大きな捉え方、考え方を提示させてください。

①②のタイプの企業(成長志向型(スタートアップ、ベンチャー企業)or 安定志向型(成熟企業))では業種、地域特性をむしろ考慮しない方がよいのではないかと思うのです。今はリアルとサイバーが融合する、業種・業界の垣根を超える変革が求められる時代です。グローバル化も進んでいますし、サイバー空間では地域という物理的限界もありません。

業種・業界の垣根を超える考え方をひとつ挙げてみたいと思います。
「製造業にはサービス業の、サービス業には製造業の視点を投入する」というものです。

例えば、製造業であれば、持っているノウハウを知財として認識すること、そしてそれをコンサルティングサービスのようにして提供することで高付加価値化(単価アップ、利益率アップ)を図るようなことが考えられます。サービス業であれば、標準化できる部分をパッケージ、部品として認識し、効率を高めて利益率を上げる、そんな取り組みが可能と思います。このとき、ITを短期、中期でどう組み合わせるか否か、自社単独or他社との連携で行うのか、連携における手段・手法はどうするか、などによって違いも現れると思います。

①②の企業(成長志向型(スタートアップ、ベンチャー企業)or安定志向型(成熟企業))は、こうしたことに戦略的に取り組むことで今の変革の時代をチャンスに変えられるでしょう。

一方、③④の企業(志向性惑い型(低迷企業)or志向諦め型(消滅・撤退企業))は、変革ではなく遅れている変化への対応を急ぐこと、具体的には足元の状況と将来を見える化し、目先のお困り事の解決から始めることになると思います。目先のお困り事を解決しながら、そもそも活性化を求めているのか否か、求めている活性化とはどのようなイメージのものなのか、どこを志向するのか(なりたい/ありたい姿、(注):「あるべき姿」ではない)、を対話によって一緒に考えていく、そのような支援が求められているのではないでしょうか?

③④の企業における考え方についてはまた改めてお話させて頂ければと思います。