(*※松島れたあテレパネ版)「日本に中小企業は必要だ」ー004

それでは、次にパネラーの岡田さんから、ご報告をお願いします。

岡田さん:

「中小企業の成長、発展なくして日本経済の成長なし」、企業社会における中小企業の比率、全労働者数に占める中小企業就業者の比率をみれば、中小企業に求められる役割のなかで、雇用機会、地域経済の担い手というというベーシックな面だけでも、その命題に異論をはさむ余地はないといえます。
さらに製造品出荷額や付加価値額における中小企業が担う比率からも、中小企業なしに、日本経済を考えることはできません。
したがって、中小企業の活力をもって日本経済の再興を考えなければならないことにも当然異論はないでしょう。
こうした中小企業に、最低賃金のアップ、賃上げ要請がなされていますが、中小企業、とりわけ小規模企業・小企業に要請することは、経済再興に向けた問題解消にはならないのは明らかです、いや、それ以上に、事実上不可能な要請といえます。
賃上げ要請に対応するためには、そもそも売上増加、利益増加は前提となります。小規模企業、小企業の年商規模を考えれば、大企業に賃上げ要請をすることとは、全く次元の違う話といえましょう。
考え方としては、賃上げは結果であって、その前に、売上増、利益増、顧客増の3つの増大を実現することが重要です。
そして、中小企業の3つの増大をどのように実現するかは、経営者の双肩にかかっていることは間違いありません。中小企業経営者の考え方、工夫の仕方、取り組み方などなど、百社百様ではありますが、経営者の気付き、やる気を高めて、取り組んでもらうことが最大のポイントとなることに違いはありません。

また、マネタリーベースのGDP比率、つまり余裕資金の多さが、先進国の中では類を見ないほど高いことからみても、GDPが増えても実質的にそれを国民全体が感じていないのです。本当の意味での経済的豊かさ、その指標としてのGDP、を高めるためには、中小企業の3つの増大をもって、生産性向上をはかっていくべきと考えます。