(*※松島れたあテレパネ版)「日本に中小企業は必要だ」ー009中小企業中心のサプライチェーン再構築
次のテーマは中小企業の再編についてです。
アトキンソンさんは、小規模企業の低い生産性を改善するためには、規模の拡大が不可欠で、そのため、吸収合併統合など、再編を起こすべきと述べています。
もちろん、今のままでいいと考える方は少ないと思われますので、では、中小企業は、どう変わるべきかと、いう議論が重要と思います。
最初に、岩手県立大学の近藤さんからご意見をいただきます。近藤さんは、従来の下請け企業が価格交渉力、価格決定力を強化することで、自立型下請け企業になり、それが日本の新たなサプライヤー関係の再編につながると指摘しています。
近藤さん:
今回のコロナ禍は、強い企業にとっては「ピンチをチャンスに変える」良い機会であると考えております。特に、IoT化が遅れていた下請型中小製造企業にとっては、自社のIoT化対応を積極的に行い、顧客とのデータ連携を行うことで、顧客との関係強化を図る、良い機会だと考えています。このことが、大企業と協力企業の関係強化、サプライチェーンの強化と変革、さらにはIoT化対応を軸とした中小企業の再編につながると考えております。
参考までに、私たちと地域協働研究を行っている縫製業の下請中小企業の考えが記された新聞記事を添付いたします。ご参照ください。
https://service.secure-folder.
サプライチェーンの中での中小企業の地位アップが、今、大事と感じました。
日本のサプライチェーンで、フェアトレードの精神が日本では、欠けていますね。グローバルでもっずいぶん遅れている思います。
高島さん、いかがでしょうか。
高島さん:単価の値上げについて、私が支援させていただいている従業員20数人の製造業ですが、原材料の高騰、運送費のアップについては、それなりの計算をし、根拠を示すことにより単価UPをしてもらっております。
従業員5人強の製造業についても同様です。見積もりの基礎データ不足で苦労しました。
頭から無条件で10%削減しろ、は以前に比べて減ってきているように思います。もちろん、下請け構造に関する見直し、サプライチェーンの再構築に関しては、グローバルな視点で再検討すべきであることは言うまでもありません。
脱下請けが叫ばれ、成功している企業も増えてきました。従来の協力工場としての囲い込みもかなり弱くなっております。したがって、親会社から生産指導的なことも、下請けの受注を考慮した発注も減ってきたように思います。
基本は、やはり「自律化」です。
「廃業」によって、親会社からも下請構造が崩れていく思いmす。
その企業が培ったノウハウ、一部の機械、従業員は、どこかで継承しなければいけません。各県に「引き継ぎセンター」「事業承継ネットワーク」を設け、対応しています。
大田区が今取り組んでいる「仲間まわし」では、互いに下町の小規模企業が横連携をしながら生産した文化は、大田区、品川区、墨田区等に残っていて、再編というよりも連携協調が一つの解決です。
しかし、なかなか、うまくいっている例は、かなり少ないです。つまり、合併・連携は容易ではないのです。
高島さんから、まさに中小企業こそデータ武装が大事というご意見をいただきました。
アトキンソンさんは、小規模企業では資金的にも人材面でも資源不足なので、今後、不可欠なデジタル化が推進できないから。統合再編が避けられないと述べています。
しかし、私たちはクラウドサービスの登場が、大きく状況を改善するのではないかと、提唱してきました。特に、キャッシュレスなどの課題に取り組んでいる小売業ではいかがでしょうか
Iさん:
ボランタリーチェンの小売業の大半が小規模企業です。小規模企業でも、クラウドを活用することで、安価にIT化ができるようになりました。規模だけ目指し、ほかの企業と統合されたり、吸収されることで、小規模の良さがなくなることを危惧します。
小さな店でも使えるコストで生産性向上に寄与するためには、情報化はもちろん、同時に時代に則した人材育成も併せてやらなきゃいけません。
コロナショックの真っ只中で、生活を支えている小売が大きく変わります。すぐにでも中小流通業界ならではのつながるクラウドサービスを構築は始めたいと思っています。