中小企業におけるDX人材不足を克服するための解決策を提案

4月22日に一般社団法人経営情報学会 中小企業のIT経営研究部会の総会が開催された。総会での活動報告、事業計画に続いて、CSPAとの共催でシンポジウムが行われた。

今回のシンポジウムは、「中小企業におけるDX人材不足を克服するためのローコード/ノーコード活用」と題して、ITの専門家、業界団体、ベンダーなどが一堂に会し、ディスカッションが行われた。

その様子をレビューする。

中小企業におけるDX人材不足への処方箋

まずは、基調講演として、「中小企業におけるDX人材不足への処方箋」と題して、ビジネス・ブレークスルー大学大学院 経営管理専攻(MBA)准教授 栗山 敏 氏が、問題提起と、解決案を提案した。

現在DX推進を政府はじめ国が一丸となって推進がされているが、「中小企業では、DX人材が不足していることで、結果としてDXの推進が出来ていない」と栗山氏は述べた。

「“DXギブアップ企業”(栗山氏の造語)が増えてきている。DXのための人材を雇いたいにもコストがかかる。その前にそもそも日本には、IT人材自体が不足しているのだ。そして、このIT人材不足という課題は、質のひっ迫感は中小企業に多いのは確かであるが、量のひっ迫感は大企業にも起こっている」と栗山氏は解説する。

そこで、栗山氏はその解決策として、「DX推進に対する発想の転換が必要なのではないでしょうか。一気にDXを実現させようというのはなく、IT改善の積み重ねと考えたらどうか」と提案した。

“何のために会社が存在して、ITに何をさせるのか”というふうに考えてはどうだろうか栗山氏。

そして、具体的な取り組みとして、DX人材を、D人材(既にデジタルスキルを持つ人材)とX人材(変革スキルを持つ人材)に分けて考える。そして、D人材にXを学ばせる、X人材にDを学ばせるのがいいのではないかという提案が栗山氏よりなされた。

「D人材にXを学ばせる」のと「X人材にDを学ばせる」のには違うアプローチが必要であるが、「X人材にDを学ばせる」については、ローコード、ノーコード開発が役に立つはずであるとコメントし、講演を締めくくった。

ノーコード・ローコードの市場動向

続いて、ノーコード推進協会 事務局長 アステリア株式会社 社長付 地域創生エバンジェリスト 松浦 真弓 氏が登壇し、「ノーコード・ローコードの市場動向」について解説を行った。

松浦氏は、ノーコード推進協会の紹介に続いて、日本のDX推進の現状について解説をした。

「まだ、DX、デジタライゼーション、デジタイゼーションに全く取り組みのない中小企業に、いきなりDXを目指しますといってもハードルが高い。そこで、まずは、デジタイゼーションに取り組むことが最初の目標になる。

そして、最終的にDXに取り組むには、人、組織の改革が必要となってくるわけである」と、松浦氏。

DX白書2021によると日本でも60%の企業がDXに取り組んでいるが、成果が出ている企業はその5割である。日本では、基調講演にもあったように、DX人材が不足していることもあり、これがこの結果を生んでいるのであろう。

ITベンダー頼りではなく、企業内にいかに人材を確保するかが課題である。

では、IT人材、DX人材をどう確保すればいいのであろうか。その手法としては、新たに採用する、自社のIT人材をDX人材に育てるといったアプローチが考えられる。

しかし、「新たに採用する」については、コストが嵩むこと、そもそも人材確保の競争が激しく、なかなかうまくいっていない。一方、「自社の人材を育てる」のは、時間がかかること、育った人材の流出といった課題もある。 そこで、松浦氏は、「現場の人材にもDXを担ってもらうことが大事ではないか。IT人材には、ノーコード開発、ローコード開発を担ってもらい。現場の人材にはノーコード開発を行ってもらうということだ」と述べた。

ノーコード開発は、エンジニアだけではなく、非エンジニアでも使えるツールであり、市場は一気に伸びている。
Google Formでアンケートを作るのもノーコード開発であり、多くの人がすでに使っている。
現場のプロが、使いたいアプリを作ることができる、専門知識なしで作れる、すぐに作れる/試せるのがノーコード開発である。
「現場主導のDX」のために、是非、皆さんも取り組んでほしいと、松浦氏は講演を締めくくった。

クラウド認定サービスから3商品を紹介

続いて、ノーコード開発/アプリを提供するベンダー3社から、具体的な製品の紹介がなされた。
3社のサービスは、CSPAのクラウド認定を受けている製品である。

最初は、ウイングアーク1st株式会社 Data Empowerment事業部 ビジネスディベロップメント室 エバンジェリスト 小林 大悟 氏より、同社の「MotionBoard」が紹介された。

同社はデータ活用のソリューションに強みがある企業であり、データ活用についての解説から説明がされた。

企業のデジタル化の目的は、業務効率化、生産性が多い。DXでは収益性なども目標にするべきで、どの業務をどう変えたら、収益性が上がるかを考えてほしいと小林氏。

MotionBoard Cloudは社内のあらゆるデータを集約し、リアルタイムで集計・可視化できるツールである。

ダッシュボードで常に最新の状況を把握できるので、データに基づいた精緻な意思決定をスピーディに行える。データは蓄積で終わらせず、そこから得られるインサイトをビジネスに活かしてこそ価値がうまれるものであり、MotionBoard Cloudが、勘と経験に頼らないデータドリブンな組織を実現させる。

詳細は下記のページから確認してほしい。

MotionBoard Cloud – 一般社団法人クラウドサービス推進機構(CSPA) (cspa2013.sakura.ne.jp)

次に、アイエルアイ総合研究所 代表取締役 内藤 慶一 氏より、同社のノーコードツールである「Still」についての説明がされた。

「StiLL」は、1996年から提供しているが、テクノロジーの進化もあり、同社の開発は終わらないとしている。

慣れ親しんだEXCEL、すべてのビジネスマンがわかりやすいEXCELの活用は、費用負担を減らすことが可能である。StiLLの活用により、デジタル化、DX化を推進してほしいと内藤社長は述べた。

「StiLL」は、Excelをプラットフォームとした「超」Excel化開発ツールで、マクロ・VBA・モジュール理解不要である。Excelだけではなかなかうまくいかない ・ファイル容量 ・マクロ、VBA ・処理スピード・セキュリティ等のExcelの課題も解決するソリューションである。

詳細は下記のページから確認してほしい。

StiLLクラウド – 一般社団法人クラウドサービス推進機構(CSPA) (cspa2013.sakura.ne.jp)

最後に、アステリア株式会社 社長付 地域共創エバンジェリスト 松浦 真弓 氏から、同社のPlatioが紹介された。

Platioは、“3日でアプリ!”がキャッチフレーズである。これは、実際に平均的に3日で作成し、稼働しているからである。誰でも簡単にモバイルアプリをノーコードで作成・活用できるクラウドサービスなのである。

テンプレートをすでに100種類以上保有しており、すでにApp Store 、Google Playに公開されているので、そこからダウンロードすれば、すぐに使えるのも特徴である。

自社の業務に合ったモバイルアプリをスピーディに活用することで、現場業務のデジタル化と人手に頼っていた業務の効率化を実現できるのが特徴である。

Platioを活用し、現場主導のDXを進めてほしいと松浦氏は締めくくった。

詳細は下記のページから確認してほしい。
Platio – 一般社団法人クラウドサービス推進機構(CSPA) (cspa2013.sakura.ne.jp)