「DX推進における課題と弊害」

収集したデータの分析「できている」わずか30.7%。DX推進により職場のホワイト化が進むほど「働き方がゆるくなりすぎる」22.6%

「人と時間を味方に」クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロ(本社:東京都目黒区、代表取締役社長執行役員:川田 篤、以下「オロ」)は、事務系(バックオフィス系)会社員 1,040名に対して、「DX推進における課題と弊害」に関する現況調査を実施いたしましたのでご報告いたします。

経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」で提起された「2025年の崖」問題。
オロでは2025年を目前に控え、レガシーシステムからの脱却状況、DXの取り組み状況についての調査レポートを2024年1月(https://zac.go.oro.com/news/news-2106.html)に発表いたしました。今回のレポートでは、DXの取り組み状況を深堀りし、DX推進における「課題と弊害」を明らかにしています。

【調査結果サマリー】

■デジタル化が進むバックオフィス業務1位「勤怠管理」2位「給与計算」3位「経費精算」
■バックオフィスでのDXの取り組み「とても進んでいる」はわずか7.3%
■収集したデータの分析「できている」わずか30.7%
■DX推進における課題は「部署ごと・業務ごとにバラバラのシステムが存在し、データ連携がされていない」24.7%
■DX推進で実感する「効果」、1位「業務にかかる手間の削減」56.0%
■DXの取り組みが進まない理由、1位「人材不足」28.1%
■DX推進による「弊害」は「DX推進で職場のホワイト化が進むほど働き方がゆるくなりすぎる」22.6%

調査概要:「DX推進の課題と弊害」に関する現況調査
対象エリア:全国
対象者:事務系(バックオフィス系)会社員 1,040名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2023年11月10日~2023年11月11日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100にならない場合があります。
※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、クレジットを記載してください。
「例:クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロが実施した調査によると・・」
調査詳細:https://zac.go.oro.com/news/news-2111.html

デジタル化が進むバックオフィス業務1位「勤怠管理」2位「給与計算」3位「経費精算」

主に経理や労務に関する業務でデジタル化・システム化が進んでいることがわかる結果となっています。業務処理のルールやパターンが明確な領域においてはシステム化がしやすいと言えそうです。

経営情報の管理手段は「クラウドサービスを業務別に組合せて利用」26.3%

クラウドサービスを組合わせて利用したり、パッケージERPやクラウドERPを利用したりするなど、経営情報の管理においてもデジタル化が進んでいる結果となっています。

バックオフィスでのDXの取り組み「とても進んでいる」はわずか7.3%

「とても進んでいる」は7.3%と低く、一方で、「取り組みたいが、全く進んでいない」「全く取り組んでいない」を合わせた、「取り組みが全く進まない企業」は 計25.9%であることがわかりました。

収集したデータの分析「できている」わずか30.7%

DXとは、デジタル技術を駆使して、経営のあり方やビジネスプロセスを再構築することであり、「デジタル化・システム化で収集したデータを収集・分析し、そこから新たな価値を創造して社会や人々の生活をより良く変革すること」と定義されています。

ここまでの結果から、日本企業のバックオフィスにおけるデジタル化・システム化は進展しているものの、DXの取り組みは道半ばと言えそうです。

DX推進における課題は「部署ごと・業務ごとにバラバラのシステムが存在し、データ連携がされていない」24.7%

以前から、基幹システムのレガシー化によりDXの取り組みが遅れること、またデータの収集・分析を行う際、部署や業務ごとに別々のシステムを使用することにより、「データの断絶」が発生していることが問題視されていました。今回の調査もそれらを裏付ける結果となっています。(図5)

(6位以下の結果)

「カスタマイズが過度に行われており、アップデートが困難で、改修コストが高い」14.9%
「登録したデータを経営改善や経営分析として利活用できていない」12.7%
「日常業務や、売上を上げる活動に手いっぱいで、社内のシステム改善に十分な人員やリソースを確保できていない」12.7%
「特に大きな課題を感じていない」8.7%
「システムの利用目的が明確でなく、費用対効果が感じられない」8.3%
「システムベンダーや開発会社との連携やサポート体制に不満がある」5.4%
「わからない」14.7%

「データ連携がされていない」と回答した人の40.3%が「クラウドサービスを業務別に組合せて利用」

クラウドサービスの組合わせで経営情報を管理する場合、他の管理方法と比較してデータ連携が難しく、DX推進の課題となりやすい傾向が見受けられます。経営データの収集・分析を効率的に行うためには、データの一元管理が可能なパッケージERP・クラウドERPの活用が有効な選択肢の1つと言えそうです。

DX推進で実感する「効果」1位、「業務にかかる手間の削減」56.0%

DXの取り組みが進まない理由、1位「人材不足」28.1%

前回行った「『レガシーシステムからの脱却』と『DXの取り組み』の現況調査」(https://zac.go.oro.com/news/news-2106.html)の中で、「レガシーシステムから脱却できない要因」1位は「デジタル活用に長けた人材が不足しているから」55.3%でした。今回の調査でも同様の結果となり、デジタル人材・IT人材不足が深刻な問題であることがわかります。

DX推進による「弊害」は「DX推進で職場のホワイト化が進むほど働き方がゆるくなりすぎる」22.6%

「人材確保」、「リモートワークによるコミュニケーション不足」を問題視する声に加え、「職場のホワイト化による働き方のゆるみ」を危惧する人が22.6%と、ある一定数いることがわかる結果となりました。また、長く働くことが評価の対象ではなくなったことを弊害ととらえる人も一定数いることが明らかになりました。

【株式会社オロ クラウドソリューション事業部 マーケティンググループ長

吉井惇による総括コメント】

バックオフィス業務のDX推進度について、「とても進んでいる」という回答の割合が7.3%であったことや、収集したデータの分析までできていない割合が39.4%であったことからも、DXへの取り組みは道半ばであることがわかりました。

効率化のために特定業務のシステム化・デジタル化が進んでいる一方で、DX推進をする上での課題として「部署ごと・業務ごとにバラバラのシステムが存在し、データ連携がされていない」という回答が上位となっており、「システムのサイロ化※」が発生していることも大きな課題の1つです。

サイロ化を解消し、タイムリーな経営データの分析を行うために、ERPの活用が1つの選択肢となります。ERPのような統合型のシステムであれば、販売管理や勤怠管理をはじめとした基幹業務に関する機能を、複数の部門を横断して一元管理でき、業務別・部門別の「データの断裂」問題を解消することが可能でしょう。
※サイロ化:組織における部署や業務プロセス、システムなどが独立して存在し、全体の連携が図れない状態にあること

出典:収集したデータの分析「できている」わずか30.7%。DX推進により職場のホワイト化が進むほど「働き方がゆるくなりすぎる」22.6%