第11回クラウドサービス認定式開催 2024年も厳選された2つのサービスが認定される
一般社団法人 クラウドサービス推進機構(CSPA)は、中小企業の経営を支える基盤として、良質なクラウドアプリケーションサービスのビジネス活用を推進するために、クラウドサービスを審査、認定する「クラウドサービス認定プログラム」を実施してまいりました。
このたび第11回を公募し、中小企業が安全に、また安心して持続的にビジネスで活用できるクラウドサービスの必要最低限の要件を定めた審査ガイドラインに沿って、厳正に審査し、2件のクラウドサービスを、審査基準に照らして適合と認定いたしました。
式典において、主催者であるクラウドサービス推進機構 理事長 播磨 崇氏は、以下のように講評しました。
「お陰様で認定式は11回目の開催を迎える事ができました。
これも、皆様方のご支援があればこそだと思っています。改めて皆様に御礼申し上げます。
第11回は10回に続き応募頂きました株式会社テクノア様から生産管理システム「TECHS-BK」「TECHS-S NOA」の2件がクラウドサービス認定プログラムのクラウドサービスとして認定されました。
認定致しました二つの生産管理システムは昨年末でそれぞれ4400社以上に導入されている実績のあるクラウドサービスであり、CSPAとしても拡販された取り組みに、学ぶべき事が沢山有るのではと感じています」。
続いて、来賓の、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会 会長 野村 真実氏より、以下のコメントをいただきました。
「受賞おめでとうございます。TECHSはすでに認定を獲得しているものだと思っているようなテクノアさんのベースなサービスです。今回受賞したというのは嬉しいことであります。中小企業、製造業で知らない人はいないと思うようなサービスであると思うので、今後も発展を祈っています」。
高島審査委員長は、今回の認定について以下のように講評しました。
「本年の認定は、中小製造業向けサービスでは長年多くの素晴らしい実績を持つテクノア様からの生産管理に係る2件のサービスです。中小企業とりわけ小規模製造業にも利用しやすい内容になっており、広く利用企業の活用が期待できるサービスかと思います。
生産管理システム『TECHS-BK』は、多品種少量型の部品加工業向けに開発された中小企業のための生産管理システムです。受発注・販売管理のみのエディションから原価管理・工程管理など必要に応じて段階的に機能追加できるようになっており、初めてシステム導入する中小・小規模製造業にも容易に導入検討できるサービスと言えます。
受注記録から請求書発行までの基幹部分ができていないところも小規模企業もまだまだ多数あるかと思います。受注情報を踏まえて工程展開してという基本的なところぐらいまでは、多くの小規模製造業にも活用いただきたいと思います。価格も63万円からというのも魅力的かと思います。
生産管理システム『TECHS-S NOA』は、個別受注型の機械・装置業に特化したクラウド対応の生産管理システムで、引き合いから発注、売上・入金までの一連の業務が網羅されています。利用料は定額サービス(サブスクリプションモデル)を採用しており、運用管理の負担が少なく、1アカウントから利用できることから小規模製造業にも容易に導入しやすいクラウドサービスと言えます。
一連業務が網羅され、125万円から、月々の運用が1アカウントから(45,000円から)となっており、検討したいと思える内容になっているかと思います。
中小企業、とりわけ小規模企業のデジタル化はほとんど進んでおりません。
主な理由は、必要性を感じていない(デジタル化してこなくても済んできた)ところが大半でした。また、多少でも必要性を感じている企業についても、
① どのように進めていけばよいのかが分からない(一般論ではなく)
② 費用がいくらかかるか不安
③ 導入に向けての時間をとりにくい(導入検討・導入に関われる人材がいない)
などにより、手つかずの状態にあるかと思います。
したがって、今回は特にこのような課題を抱えている事業者にも導入検討できるという視点を重視して、審査しました。具体的には、
(1) 小規模事業者もデジタル化のレベルに応じて適用できるサービスであること。
(2) デジタル化の経験が少ない事業者でも、自社のレベルに応じて容易に選択できるサービスであること。
(3) デジタル化に向けての支援体制がしっかりできていること。
今回認定させていただいた2件のサービスは、すでに今までに4件のサービスを認定させていただいているテクノアの製品でもあり、かつ中小企業への多くの導入実績を持つテクノア製品でもあることから、支援体制などについては、問題はないかと思いました。
まずは基本となる「受発注・販売管理のみ」から段階的に機能追加できるということでの導入検討のしやすさ、また1アカウントから利用できるということでの入口の価格の確認がしやすいこと、などが高く評価されました。
ベンダーサイドから見れば、1カウントもたとえば5アカウントもほぼ同じ手間でサービス提供でき、効率を考えれば1アカウントからというのは割に合わないという考えがあったかと思います。
しかし、オンラインサポートも当たり前になり、AI活用による効率化もあり、従来の支援体制とは変わってきているかと思います。したがって、利用者にとっての検討のしやすさを考慮しながら取り組んでいただける普及のスピードが速まるように思います。
小規模・中規模問わず、サプライチェーンの強化が一つの課題になっているとき、サプライチェーンにおける一気通貫のデータ連携は必須かと思います。
改めて、認定させていただいたサービスが、小規模企業の皆様にも多く活用してもらえる活動をベンダーの皆様とクラウドサービス推進機構が一体となり進めていきたいと思っております。
引き続き、本日ご参集の方々はもとより、多くの関係者と連携・協調しあい、中小企業・小規模企業のデジタル化促進に向けさらに努力していきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。」
その後、各社に認定証が授与されました。今回の認定によって、認定されたクラウドサービスは56件に達しました。クラウドサービス推進機構は、日本の中小企業に向けたこれらの優れたクラウドサービスを、さまざまな機会を通じて、中小企業や支援者に伝え、中小企業のクラウド活用を促進してまいります。
【認定されたクラウドサービス】
【認定されたクラウドサービスの概要】
多品種少量型の部品加工業向けに開発された中小企業のための生産管理システムです。受発注・販売管理のみのエディションから原価管理・工程管理など必要に応じて段階的に機能追加できるようになっており、初めてシステム導入する中小・小規模製造業にも容易に導入検討できるサービスと言えます。
導入効果として、多品種少量生産における複雑なデータを一元管理し、リアルタイムで加工の進捗状況を把握するとともに、負荷の調整を随時行うことで、労務費の削減(生産性の向上)や納期の遵守・短縮に貢献することが特徴になっています。
生産管理システム『TECHS-S NOA』(株式会社テクノア)
個別受注型の機械・装置業に特化したクラウド対応の生産管理システムで、引き合いから発注、売上・入金までの一連の業務が網羅されています。利用料は定額サービス(サブスクリプションモデル)を採用しており、運用管理の負担が少なく、1アカウントから利用できることから小規模製造業にも容易に導入しやすいクラウドサービスと言えます。
部門ごとに使用しているシステムが異なることによるデータの統合と共有性の課題や、部品点数が多く、手配状況や納期確認がリアルタイムで把握しづらいといった課題を抱える中小・小規模製造業に役立つツールが用意されていることが特徴になっています。
【今後の公募予定】
第12回認定の公募を、2025年5月頃に予定しております。
以下のサイトに、「中小企業に役立つクラウドサービス」として、これまでの認定サービスが紹介されています。ご参照ください。
クラウドサービス認定の解説はこちら