【開催報告】CSPAステップアップフォーラム2025
今年も、CSPAステップアップフォーラム2025が、福岡、名古屋、大阪、東京で開催中である。
11月11日時点では、福岡、名古屋が終了し、大阪(11/20)、東京(11/27)の開催が待たれているところである。
大阪会場、東京会場は参加受付中である。お時間の許される方は、下記リンクを確認の上、お申込みいただきたい。
https://www.seminar-reg.jp/bcn/cspa2025/?mparam=cspahp
さて、ここまでの開催報告は、CSPAメルマガ会員には、メールで送付させていただいているが、中小企業にとって非常に参考になる内容であるので、今回は特別にWebページにも公開をすることとした。
大阪会場の内容、東京会場の内容については、後日アップするようにする。
まずは、福岡会場の内容を紹介する。
| CSPAステップアップフォーラム2025 対談報告(福岡編) 福岡会場では、今野製作所の今野社長と、とりわけ中小企業におけるAI活用について意見交換を行いました。長年ITカイゼンに取り組まれてきた今野社長ならではの、実践的かつ本質的な視点から、AI導入の基本を学ぶことができました。 以下に、対談の中での主なポイントをご紹介します。 【参考:CSPAステップアップフォーラム2025】 https://www.seminar-reg.jp/bcn/cspa2025/?mparam=cspahp 1.過去の知見を活かすAI活用 今野社長は、AIに対して「蓄積された事例やノウハウを引き出し、現場対応に活かすツール」としての期待を語られました。 報告書・標準書・事例などの過去資産をAIが活用できれば、社員の技能継承や能力向上につながる。 AIは「知識の橋渡し役」として、現場力を底上げする可能性がある。 2.人材育成と伝承の重視 AI導入が進む中でも、「人を育てることが何より大切」と強調されました。 少人数でも長く働ける人材の育成が重要。 「AIに一度伝承させるが、最終的には人が成長しなければならない」と、人間主体の成長を重視。 「最後はやっぱり人間だ」という言葉に、AIと人の共存への展望が込められている。 3.データ整備の重要性 AI活用の前提として、正確なデータの整備が不可欠であると指摘されました。 生産・販売などの基幹データが整理されていなければ、AIによる分析は機能しない。 「不正確なデータでは意味がない。まずは正しいデータが記録される仕組みづくりが必要」。 4.若手への期待と世代交代 AIの進化に対し、自身の限界を感じていると率直に語られました。 「AIの時代は若い世代に託したい」という思い。 社員全員がAIを“自分事”として使えるか、対話法を習得できるかが今後の課題。 いまは試行錯誤の段階で、若手の挑戦に期待が寄せられている。 まとめ AIを「過去の知見を活かすツール」として捉えつつ、「人材育成」「データ整備」「世代交代」といった本質課題への深い洞察が得られた対談でした。中小企業がAIを導入する際の指針として、多くの示唆をいただけたと思います。 なお、次回以降の各会場では下記の実践講演も予定しています。 大阪(11/20 木):武州工業 相談役 林 英夫 氏 「『社内も社外も一つに、DXで情報共有』~働き方を変える、会社が変わる、未来が変わる~」 → 社内外の情報共有設計、現場から始める働き方改革の具体、“小さく始めて広げる”DXの勘所が学べます。 東京(11/27 木):錦正工業 代表取締役 永森 久之 氏 「過大投資に頼らないデジタル化──小口投資で『使える仕組み』を作る」 → 小口投資での現場改善、無理のない仕組み化、中小企業が実践できる等身大DXの進め方が学べます。 【ご案内|大阪(11/20)・東京(11/27) 参加登録はこちら】 プログラムと会場情報は、下記の公式ページの中段で会場タブ(大阪/東京)を切り替えてご確認ください。 https://www.seminar-reg.jp/bcn/cspa2025/?mparam=cspahp |
次に名古屋会場の内容を紹介する。
| CSPAステップアップフォーラム2025 対談報告(名古屋編) +大阪(11月20日)/東京(11月27日)のご案内 今年も全国各地で、中小企業のリーダー経営者4名との対談を開催しています。福岡・名古屋での対談を終え、今後は大阪(11/20)・東京(11/27)での開催を予定しています。 https://www.seminar-reg.jp/bcn/cspa2025/?mparam=cspahp 名古屋会場では、浜野製作所 浜野会長と、とりわけ、産学官連携、スタートアップ企業育成についての意見を興味深く拝聴させていただきました。 長年、墨田区にあって先進的な連携に取り組まれてきた浜野会長ならではの、実践的かつ本質的な視点から、その基本を学ぶことができました。 以下に、対談の中での主なポイントをご紹介します。 1. 産学官連携・オープンイノベーションの本質 (1)形式的な連携の課題と真に有効な接点 形式的な連携の限界:大学との公式な連携協定を締結した場合では、提供される研究リストが必ずしも現場の実用性に結びつかず、表面的な活動に留まってしまうケースが多いのが現状です。組織対組織ではなく、結局、人と人との信頼あるつながりが不可欠だ、と述べられました。 (2)真に有効な連携の創出 真に価値のある連携は、公的なルートを経由するよりも、むしろ現場の具体的な課題や研究ニーズ(例:環境問題の研究からEV開発へ発展する研究室からのご相談など)といった、有機的な接点から生まれる、という重要なご指摘をいただきました。 2. スタートアップ支援の成功要因と自立促進の原則 (1)「高い成功確率」を支える厳選と自立支援の徹底 高い成功確率の背景:支援されているスタートアップの成功率は「約半分」と非常に高く、一般に言われる「千三つ(ごくわずかな成功)」とは一線を画しています。 (2)厳選された対象 これは、闇雲に企業を受け入れるのではなく、すでに目的や事業進捗が明確であり、高い意欲と強い意識を持った企業を支援対象とされているためです。 (3)自立を促す支援体制 スタートアップに過度な依存を許さず、ビジネスとして対価をいただくという原則が貫かれています。資金がない場合は公的補助の申請を促すなど、スタートアップの持続的な成長と自立を最優先した支援を行っています。 ■以下、浜野会長から本配信への追加コメントをいただきました。■ 「町工場の社長の方々は、実際には人情味にあふれた優しい方が多く、頼まれると「しょうがないな、やってやるよ」といった形でスタートアップ支援を引き受けてしまう傾向があります。しかし、その支援はビジネスとしての仕組みが整っておらず、善意に基づいた個人対応に留まっていることが多いです。 社長自らが日々の現場作業に従事しているため、支援活動は夜間や休日に行われることが多く、結果として無理が重なり、継続が困難になるケースが見受けられます。支援が途切れると、スタートアップ側も再度支援先を探さなければならず、その間に「死の谷」に陥ってしまうリスクが高まります。 このような悪循環を防ぐためには、単なる支援ではなく、スタートアップ支援をビジネス全体として捉え、持続可能なモデルを構築する必要があります。Garage Sumidaの設立は、こうした課題への対応として行われたものであり、現在では10名程度のスタッフが新規事業開発を担う体制を整えています。 町工場では、社長が単独で支援を担うことが多く、人員の多くは加工や間接部門に集中していますが、Garage Sumidaでは新規事業に特化した人材を配置している点が大きな違いです。すべてのスタッフがすべての工程に関われるわけではありませんが、従業員が経営に関わる案件に主体的にコミットできるようになったことは、Garage Sumidaの大きな成果であるといえます。」 今回の対談は、表面的な成功談ではなく、真剣な議論を追求できたと思います。表面的な成功事例や講演だけでは、もはや多くの中小企業経営者の方の「心に響かない」時代になっています。その点で浜野会長のお考えの意図を共有できました。 改めて、求められている情報とは、形式的な内容ではなく、浜野会長の本質的なお考えや、率直で真剣なご意見(マジな顔での回答)を引き出し、掘り下げていく場づくりこそ、最も価値ある情報提供につながると改めて得心しました。 私たち支援者が学び、教えられた思いです。 今回の対談で得られた深い洞察を、皆様の今後の事業推進の一助としていただければ幸いです。 以上。 |
大阪・東京の学びのご案内
大阪(11/20)・東京(11/27)でも、中小企業の等身大DXやAI活用を“現場目線”で学べる実践セッションをご用意しています。参加は無料(事前登録制)。下記の公式ページで「会場」タブを大阪/東京に切り替えのうえ、ご登録いただきたい。
https://www.seminar-reg.jp/bcn/cspa2025/?mparam=cspahp
なお、このイベントでは、生成AIについても学べる。講演内容を、講師からのコメントで紹介する。
| ChatGPTをはじめとする生成AIの登場で、ビジネスの常識が大きく変わろうとしています。「便利そうだが、日々の業務にどう活かせばいいか分からない」「少し使ってみたが、期待外れだった」「情報漏洩が怖くて、本格的な導入には踏み切れない」。多くの中小企業経営者が、大きな可能性を感じつつも、同様の課題を抱えているのではないでしょうか。 本講演では、そうした疑問や不安を解消し、具体的な一歩を踏み出すための羅針盤を提示します。まずは、身近な業務で明日からでもコストをかけずに実践できる生成AIの具体的な活用術を事例を交えてご紹介。単なるテクニックだけでなく、中小企業が陥りがちな失敗例や情報セキュリティ対策の要点も解説し、「攻め」と「守り」両面からのAI活用を支援します。 加えて、生成AIの進化の先にある、AIが自律的に複数の業務を遂行する『AIエージェント』の時代を見据え、今考えるべきこと、そして備えるべきことをお伝えいたします。 講師:FP Supporters株式会社 代表取締役 青木 洋輔 氏 |
お申込みはこちら https://www.seminar-reg.jp/bcn/cspa2025/?mparam=cspahp