現場を知り尽くした経営者がkintoneで基幹システムを構築、テーマは「とにかくやってみよう」:CSPA 中小企業ステップアップセミナー#29 開催報告書/動画公開
2025年7月2日に地域密着型の有料老人ホーム「あんしん村」グループ代表取締役であり、主任ケアマネージャ・介護福祉士・産業ケアマネージャーである林 智之(はやしともゆき)氏に中小企業のIT化/DXの進め方をお話いただきました。
林氏は元エンジニアという経歴を活かし、地域密着型有料老人ホームの運営において、従来の紙やExcel、Googleカレンダーなどバラバラだった業務管理を、サイボウズのクラウド型業務改善プラットフォーム「kintone」に統合しました。
コロナ禍をきっかけに補助金を活用してkintoneを導入したことで、部門間の連携や食数計算、出勤簿の自動化など、現場のさまざまな業務が効率化され、作業時間の約20%削減や残業ゼロ、売上の過去最高、満室運営、採用コストゼロといった目覚ましい成果を上げています。介護記録や電子サイン、ペーパーレス化、ケアマネ業務のシステム化、帳票作成、厚労省データLIFE対応など、kintoneの活用範囲は多岐にわたり、AIや自動化ツールも積極的に取り入れています。
導入時には「誰一人取り残さない」という方針のもと、スタッフのITリテラシーに合わせた小グループレクチャーや現場の声を反映した運用を重視し、完全なペーパーレス化にはこだわらず、柔軟な対応を行っています。失敗や試行錯誤も楽しみながらDXを進める姿勢が印象的です。
こうした取り組みはメディア取材を呼び込み、知名度や採用力の向上にもつながっています。さらに、元カフェスペースを活用した「あんしん村IT支援室」では、他社へのIT・kintone導入支援やNPO活動も展開。IT化・DXに悩む中小企業に向けて、「まずは動いてみる」「とにかくやってみよう」という行動の大切さを力強く発信しています。
【講師プロフィール】
林 智之氏
有限会社あんしん村グループ・代表取締役、主任ケアマネージャ・介護福祉士・産業ケアマネージャ
福井県商工会議所会員、福井市中央倫理法人会会員、円山商経同友会事務局、円山公民館まちづくり事務局長など
1974年生まれ、経済学部卒業後、東京の(株)SRAで7年勤務し開発やデータベース・インフラなどを手掛ける。
2005年、両親と起業し、2006年8月、有料老人ホームとカフェを創業。創業時、父が代表だったが、2008年~代表就任。
20才で伯父宅に養子縁組を組まれており、伯父の事故により福井に戻る。その後、伯母や母の死を経て、相続を3回体験する。2009年から毎日ブログを書いており、15年・5700記事以上を継続中。「介護や相続になったら困らないために」をテーマに、情報発信を行っている。
●元エンジニアで主任と産業ケアマネージャ・はやしともゆきの笑顔で前進!毎日ブログ
https://tomoyuki-hayashi.info/
アーカイブ動画を公開しました。