クラウドサービス推進機構理事長賞は「社会福祉法人 風の森」
「全国ワークスタイル変革大賞2025 全国大会」が12月16日に開催された。
本イベントは、DXや業務改革に取り組む企業・団体の先進事例を共有することを目的として開催されたもので、クラウド活用やデジタル技術の実践的な成果が多数紹介された。
一般社団法人クラウドサービス推進機構(CSPA)は、本イベントにおける構成団体の一つとして参画し、クラウドサービスを活用した現場改革や社会課題解決に資する取り組みを評価・発信する役割を担った。
イベント内では、特に社会的意義が高く、他分野への波及が期待される取り組みを対象に「クラウドサービス推進機構理事長賞」が設けられ、表彰が行われた。
クラウドサービス推進機構理事長賞
理事長賞を受賞したのは、社会福祉法人 風の森。
同法人は、慢性的な人手不足や業務負担の重さといった保育業界特有の課題に対し、DXを活用した業務改革に継続的に取り組んできた点が評価された。

受賞者コメント
受賞にあたり、同法人の野上美希氏は、「保育士の業界は厳しい状況が続いているが、この賞をいただいたことをきっかけに、DXの取り組みをさらに多くの法人へ勧めていきたい」とコメント。
今回の受賞を、現場改善にとどまらず、業界全体へのDX浸透につなげたいとの意欲を示した。新規録音 16
播磨理事長の選考コメント
播磨崇理事長は選考にあたり、改革の成果が数値や制度面だけでなく、現場で働く保育士の表情に明確に表れていた点を高く評価したと述べた。
事前に紹介された動画では、業務改革が形骸化したものではなく、現場にしっかりと定着し、保育士が本来向き合うべき「子どもと過ごす時間」を取り戻している様子が率直に伝わってきたという。

また、従来は煩雑な事務作業に多くの時間を割かざるを得なかった保育現場において、DXによる業務効率化を進めた結果、1日60分の休憩確保や週休2日の実現といった、これまで考えにくかった働き方改革が実現している点にも言及した。
さらに、採用面でも大きな変化が生まれ、応募倍率が大幅に向上していることは、改革が現場の満足度向上だけでなく、持続的な組織運営にも寄与している証左だと評価した。
加えて播磨理事長は、こうした成果を自法人の成功事例として終わらせるのではなく、他の保育施設や業界全体へ広げようとしている姿勢に強い感銘を受けたと述べ、「今後の保育業界におけるDXのロールモデルとして、さらに広がっていくことを期待している」と、理事長賞授与の理由を総括した。